定期検診・
このページでは
お口の健康を維持するための「予防歯科」について詳しく解説しています。
定期検診の重要性から、
予防歯科について
予防歯科とは
予防歯科とは、むし歯や歯周病などになってから治療するのではなく、なるべくならないように予防することを重視する考え方です。
予防歯科は、以下の2つに分類されます。
- セルフケア
-
歯科医師や歯科衛生士の指導のもとに患者様自身が行うケア
- プロフェッショナルケア
-
歯医者で歯科医師や歯科衛生士が行うケア
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| 内容 | 目的 | |
|---|---|---|
| セルフケア | 歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどを用いた毎日のケア | 毎日の歯磨きでむし歯や歯周病を予防する |
| プロフェッショナル ケア |
歯のクリーニングや歯磨き指導、フッ素塗布など、歯科医師・歯科衛生士が行うケア | 専門家によるケアで、セルフケアでは不十分なところを補い、より効果的に口腔内環境を整える |
定期検診の重要性
予防歯科の目的は、セルフケアとプロフェッショナルケアの2つのケアを合わせることで、むし歯や歯周病などを予防し、お口の健康を維持することです。
また、セルフケアとプロフェッショナルケアの双方の効果を最大限に発揮するためには、定期検診がとても重要です。
定期検診は、単に「プロフェッショナルケア」を受ける場だけのものではありません。
患者様の「セルフケア」がしっかりと行われているかをチェックし、歯磨きや生活習慣の指導などを行い、患者様の「セルフケア」の改善を促す効果もあります。
そのため、定期検診は、セルフケアとプロフェッショナルケアの効果を最大限に引き出すための重要な役割を担っています。
歯の定期検診について
歯の定期検診とは
歯の定期検診とは、歯科医院で歯科医師と歯科衛生士によるお口のチェックを受けることです。
むし歯や歯周病など、お口のトラブルは初期段階では自覚症状がない場合が多く、気づかないうちに進行してしまうことがあります。
定期検診では、歯科医師や歯科衛生士による検査やクリーニング、歯磨き指導、歯科医師によるむし歯のチェックを受けることで、早期発見・早期治療はもちろんのこと、健康な状態を維持し、将来的なお口のトラブルを予防することにも繋がります。
歯の定期検診の内容
1.むし歯などの確認
定期検診では必ず、歯科医師によるむし歯やその他口腔内のチェックを行います。
むし歯の疑いがある場合は、レントゲンによる確認の必要性を十分に説明し、合意のもとにレントゲン撮影を行うこともあります。
2.歯周病の検査
歯科衛生士による歯周病検査を行い、歯周病の状態や進行度合いを調べます。
歯周病検査の内容
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歯周ポケット
検査 - プローブと呼ばれる器具を用いて、歯と歯ぐきの境目の溝（歯周ポケット）の深さの測定や出血の有無などを調べる検査です。
-
歯の動揺度の
検査 - ピンセットを用いて歯を前後左右に揺らし、歯の揺れ具合を確認します。歯の周りの骨が溶かされると、歯の支えが弱まるために、歯がゆれてきます。
3.歯のレントゲン撮影
むし歯や歯周病の状態をしっかりと確認するために、年に1度の撮影を推奨しております。
撮影の際は必ず、必要性を説明した上で、合意のもとに撮影を行いますのでご安心ください。
4.歯のクリーニング
スケーリングや歯面清掃を行い、歯ブラシでは落としきれない歯石やプラークを除去します。
歯周病検査の内容
- スケーリング
- 回転式の器具と研磨剤を用いて、歯に付着しているプラークや歯石を除去します。
- 歯面清掃
- 専用の機器と研磨剤を用いて、さらに細かな歯のプラークや歯石を除去し、歯の表面を滑沢に仕上げます。
5.歯磨き指導
クリーニング前の磨き残しの具合や歯周病の検査結果より、必要があれば歯科衛生士が歯磨き方法を確認し、アドバイスを行います。
6.フッ化物歯面塗布
歯の表面にフッ化物を塗布することで、歯質を強化し、むし歯を予防します。
塗布後の注意事項
- フッ化物塗布後30分は飲食やうがいを控えるようにしてください。
- 出てきた唾液は吐き出すようにしてください。
セルフケアでできること、できないこと
毎日欠かさず歯磨きをしていても、じつはすべての汚れを落としきれているわけではありません。歯ブラシだけでは、約60%のプラーク（歯垢）しか除去できないという研究結果があります。
歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助的な清掃用具を併用することで、プラークの除去率は90%近くまで高まります。（※1）
しかし、令和4年歯科疾患実態調査（※2）によると、デンタルフロスや歯間ブラシを用いて歯間清掃を行っている人は、約50%しかいないというデータがあります。
つまり、多くの方が磨き残しを抱えている可能性があり、その結果、プラークが歯石へと変化してしまうリスクが高まります。プラークは、口腔内の環境によって異なりますが、早ければ約2週間で歯石へと変化する可能性があります。（※3）歯石は歯の表面に強固に付着し、表面が粗いためさらにプラークが付着しやすくなるため、セルフケアでは除去が困難です。
そのため、毎日のセルフケアに加えて、歯科医院での定期的なクリーニングが非常に重要になります。歯科医院でのクリーニングでは、セルフケアでは落としきれない歯石やプラークを専門の器具を使って除去し、お口の中を清潔に保つことができます。定期的なクリーニングは、歯周病や口臭の予防にも効果的です。
参考文献
（※1）ライオン歯科衛生研究所 歯と歯の間のケア
https://www.lion-dent-health.or.jp/labo/article/care/02-1/
（※2）厚生労働省 令和４年歯科疾患実態調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
（※3）厚生労働省 歯石 ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-034.html
歯医者で行う歯のクリーニングについて
クリーニングの内容
歯医者で行う歯のクリーニングは、毎日の歯磨きでは落としきれない汚れを、歯科衛生士などの専門家によって、専用の器具を用いて除去することです。
クリーニングの主な目的
- むし歯や歯周病の予防
- お口の健康維持
クリーニングの内容は、大きく分けてスケーリングとポリッシングになります。
1.スケーリング
歯のスケーリングとは、超音波スケーラーや手用スケーラーを用いて、歯に付着した歯石を除去する処置です。
歯石とは、歯の表面に付着したプラーク（歯垢）が石灰化して固くなったものです。 歯石自体は、細菌が石灰化により死滅しているため、直接むし歯や歯周病を引き起こすわけではありませんが、表面が粗いためプラークが付着しやすく、歯周病原菌の温床となるので、注意が必要です。
2.ポリッシング（歯面研磨）
ポリッシングとは、研磨剤を用いて歯の表面を滑らかに磨くことを言い、歯面研磨とも呼ばれます。
ポリッシングは、歯の表面を滑らかにすることで、プラークや着色汚れの付着を防ぎ、むし歯や歯周病を予防することができます。さらに、歯の表面の微細な凹凸を滑らかにし、光沢のある美しい歯に仕上げます。
着色汚れの除去について
保険診療のクリーニングでは、歯周病治療の一環として歯石除去などを行います。このとき、歯の表面の汚れもある程度落とすことはできますが、着色を落とすことを目的としたクリーニングは保険適用外となります。
- パウダークリーニングは自由診療です。
- デメリット・リスク：お口の状態によっては、クリーニング時に一時的に出血することがあります。
- 治療期間・回数：約3～4ヶ月に1回、治療の流れ：専門的な機材を使って歯科医師や歯科衛生士が歯垢・歯石を取り除き、歯をクリーニングします。
クリーニングによる効果
1.むし歯や歯周病の予防
歯のクリーニングでは、歯石やプラークを徹底的に除去します。歯石やプラークは、むし歯や歯周病の主な原因となるため、これらを除去することで、むし歯や歯周病を予防することができます。
2.口臭の改善
口臭の原因の一つに、歯周病原菌があります。歯周病原菌は、餌となる糖を分解するときに、揮発性硫黄化合物（VSC）と呼ばれるガスを発生させます。
この揮発性硫黄化合物が、口臭の原因となる主な物質です。
揮発性硫黄化合物には、
- メチルメル
カプタン -
腐った玉ねぎのような臭い
- 硫化水素
-
卵の腐ったような臭い
- ジメチルサル
ファイド -
生ゴミのような臭い
などがあり、これらが混ざり合って、不快な口臭を作り出します。
歯のクリーニングでは、歯周病原菌のすみかとなる歯石や細菌の塊であるプラークを除去することで、揮発性硫黄化合物の発生を抑え、口臭を改善する効果が期待できます。
3.プラークや着色汚れがつきにくくなる
歯のクリーニングによって歯の表面が滑らかになると、プラークや着色汚れが付きにくくなります。
口腔内スキャナーで精密検査
当院では、より精密な診察を行うために、口腔内スキャナーを導入しています。
口腔内スキャナーとは、先端に付いた光学スキャナーで口腔内をスキャンすることで、現在の歯列を3Dデータで取得できる機器です。
こちらは、むし歯や歯周病のリスクが高い方、矯正治療を検討されている方など、定期検診にて必要な患者様にのみ行なっております。
ご希望の方は、ご予約時にお申し付けください。
また、検診についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
定期検診で口腔内スキャナーを用いるメリット
1.マウスピース矯正治療のシミュレーションを体験できる
口腔内スキャナーで歯型を採取することで、マウスピース矯正治療のシミュレーションを行うことができます。
マウスピース矯正治療前後の歯並びを視覚的に比較して確認することができるため、治療のイメージを掴みやすくなり、矯正治療を悩まれている方にとってよい判断材料となります。
2.見えないむし歯や歯石がわかる
目では見えない歯の間の小さなむし歯や、見えにくい部分にある歯石なども見つけることができます。
3.かみ合わせの分析ができる
口腔内スキャナーでかみ合わせの状態を分析することで、歯ぎしりや食いしばりによって、どの歯がどのようにすり減っているのかを把握することができます。また、顎の痛みや違和感、開口障害などのかみ合わせからくる症状の特定にも役立ちます。